本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第四部「貴族院の自称図書委員VI」

さぁ、いよいよ始まりました。前巻で懇親会まで進んだローゼマインの2年生が本格始動となります。貴族院の座学と実技に始まり、図書館登録、自称、図書委員としての活動が彩りを添えて、ローゼマインだけでなく読者もきっと満足な本巻。Web版の読者も所々で丁寧に加筆されているのを見かける事でしょう。表紙はシュバルツとヴァイスが図書委員の腕章付きの新衣装を着て図書館で執務中のシーンでしょうか、ローゼマイン、ハンネローレとヒルデブラント王子の3人が飾ります。そう、この、我らがローゼマインのドヤ顔。カメラ目線でなんだかプリクラっぽいこの表紙ですが、初の王族表紙デビューを餌に派閥に取り込んだ証拠写真という事でしょう。うん、さすが神官長の弟子、やり方が汚い。(※個人的な妄想です)実際は、それぞれの目線の先が何を捉えているかが意味深な表紙なので、一度本文を読んでから再度表紙を見てみると色々わかると思います。（※そして、お察しください）カラー口絵は黒の武器で戦う騎士見習いたちと採集場所を回復するフリュトレーネの杖を持ったローゼマイン。登場人物紹介は遂に3ページ目にも顔イラストが入るように。ディートリンデやオルトヴィーンがイラスト付きで紹介されているのは有難い。あと、今回、解像度が上がっているみたいなので人物紹介文の文字がちゃんと読めます。(よかった)お話は座学に実技、初日合格に闘志を燃やす学生たちから始まっていきますが、歴史や法律、1年生ではなかった内容も少しフォローされつつ、エーレンフェストの学生たちが頑張ってきた事がよく分かる楽しい展開。また、実技も変わり、武器防具でのひと騒動(いや、ふた騒動？みっつ？)に、調合でもローゼマイン無双が炸裂。(でも、大体ヒルシュールのせい)楽しすぎる実技ですが、その中でも求婚の魔石のひと騒動は必読でしょう。その細かい世界のズレが面白さにつながる部分が本作の魅力の一つだと思います。ニンマリとする良エピソード。巻末4コマと合わせて楽しめました。他、シュバルツ、ヴァイスの着替えエピソードに、ヒルシュールの弟子に、本好きのお茶会。ローデリヒの相談は何度読んでもジワリとくるお話。ハンネローレとヒルデブラント、ヴィルフリートとシャルロッテ達の奮闘が透けて見えてくる中、エピローグで保護者達の苦悩はもはや、風物詩？はい、ローゼマインを中心とした相手の想定への行き違いが加速していく貴族院が最高です！(><挿絵イラストはライムントが初出となっており、その絵でヒルシュール先生との関係がチラリと垣間見えます。弟子の出来を気にしているヒルシュールが面倒見がよさそうで、いい先生感が出ていてライムントがうらやましく感じる1枚でした。SSはローデリヒの名捧げ相談の裏側とルーフェン先生のベルゲシュトック寮の捜索。マティアスが派閥のキーマンであるのがよく分かるのと、ヒルシュール先生が思いのほか有能。そして、グンドルフおまえもか。ちなみに帯で解禁となった情報はボイスドラマ第三弾にTVアニメ化決定の情報。いよいよ望まれたアニメ化ではありますが、今は多くを語る前に、神に祈りを捧げておこうと思います。そして、作者に感謝を。